2024.09.27
2024年度秋季学位記授与式 学長式辞
本日,ここに学位を授与され,SOKENDAIを卒業される皆さん,誠におめでとうございます。皆さんが積み重ねて来られた努力に心から称賛を送るとともに,これまでご指導くださった教員の方々,皆さんを支えてこられたご家族の方々に深く感謝いたします。
皆さんがここに至るまでの道のりは,決して平坦ではなかったでしょう。研究はいつもうまく行くことばかりではありませんし,COVID-19パンデミックによって研究活動が大きく妨げられたこともあったでしょう。それらを乗り越えて,学位取得に至った皆さんの努力に改めて敬意を表します。
皆さんは,本学の大学院課程において,専門的な知識と研究手法を修得し,難しい研究課題に挑戦して,それを解決する力を身につけてこられました。本日でSOKENDAIを離れ,これからは,それぞれが選んだ道を歩まれることになりますが,何処でどのような仕事をされるにせよ,SOKENDAIでのこれまでの研鑽は,きっと皆さんが将来を切り拓いていく力になるものと確信しています。
さて,SOKENDAIの学長として,本日卒業される皆さんにひとつの言葉を贈りたいと思います。その言葉とは,
皆さんは,学術の現場で博士号を目指して研究に打ち込んでこられたのですから,他人と同じことをやっていては駄目ですよ,誰がやっても出来るようなことをやっていては独創性を問われますよ,ということは身に染みて分かっておられるでしょう。「敢えて違うものになれ」という言葉には,そのような,他の人が考えつかないこと,できないだろうと思うことに挑戦する,という意味も勿論あります。これまで当たり前だと思われていたことに対して,本当にそうなのか?という鋭い疑問を持ち,批判的に考え直してみる思考力も「敢えて違うものになれ」に含まれるでしょう。
しかし,それだけではないのです。私が皆さんに期待する「敢えて違うものになれ」は,これまでの自分の殻を打ち破って,違うことを考える,違うことに挑戦する,今までの延長線上にはない道を突き進んで,これまでの自分とは違うものになってください,ということなのです。
今,皆さんの前にある道は,決して一本道ではありません。何処かで分岐点に差し掛かった時,敢えてこれまでの延長線上にはない道を選んだことで,想像もしていなかった新たな景色を見ることができるかもしれません。そういう冒険心を抱き,敢えて違うものになる勇気をもって,自らの将来を切り拓いていって頂きたいのです。
どうぞ,そのことを胸に,元気よくSOKENDAIから飛び立ってください。
本日は本当におめでとうございます。皆さんのこれからのご活躍を期待しております。
2024年9月27日
総合研究大学院大学 学長
永田 敬